オンライン優勢でコロナウイルスの影響を緩和 -中国における越境ECの壮大化-
新型コロナウィルスの衝撃により、中国はどのようにして対外貿易を安定させるのかが課題になった。近日、中国は一連の政策を挙げ、その中で「越境EC総合実験区を増設する」政策が注目を集めている。
4月7日、中国国務院は46の越境EC総合実験区を新たに設立した。既に設立した59の実験区を加えて、中国には105の総合実験区を設立した。30の省、自治区、市を含め、陸海の連携を実現し、東西双方相互扶助を始めた。
今年から、中国における越境ECの規模は急速に拡大している。1-2月、中国越境ECインポートとエクスポート小売り総額は174億元(約2760億円)に達し、前年比成長率36.7%となった。このような背景の中で、中国は、中国の越境EC業界の発展により、新型コロナウィルスの悪影響を緩和することができ、そして、中国国内の消費需要を回復させるために、対外貿易を拡大する決意と自信を表した。
オンライン優勢でコロナウィルスの影響を緩和する
先日、四川省成都にある天府国際空港新城で、にぎやかな「オンラインプロモーショ会」が開かれた。「対面」の形式ではなく、「画面対画面」であった。「手をつないで」がなくても、「心がつながっている」。バックグラムデータによると、今回のオンラインプロモーション会の視聴者は41万人に達した。
「空港新城は山を背に風光明媚な場所、産業発展の将来性は非常によく、我々はここのプロジェクトの発展に対して期待している!」と安博中国エリア副総裁の任洪波氏は話した。当社は天府国際空港を積極的にグローバル供給チェーンシステムに溶け込み、付加価値の高い制造業の物流倉庫配送をメインに、EC及び冷凍物流倉庫配送の運営モデルを基盤として、資本流、物流、情報流の「三流統一」を促進する。
注目に値するのは、天府国際空港新城の所在地である成都では、すでに2016年初めに「越境EC総合試験区」の設立が認めされた。
中国商務部部長助理の任鴻斌氏は次のように説明した。2015年から、中国国務院はすでに4回に分けて59の越境EC総合試験区を設立し、商務部は各部門と各地と合わせて12方面36項目の経験と革新的な方法を全国に複製・普及し、越境電ECの規模の持続的・急速な増加を推進している。2019年、中国の越境EC業務の輸出額は1862億1000万元(約2兆8198億円)、2015年の5倍であり、年平均成長率は49.5%に達した。越境EC総合試験区は、対外貿易の発展に対する役割も日増しに強調されている。
任鴻斌氏は「越境ECはインターネット時代に最も迅速に発展した貿易方式であり、時空間制限を突破した。そして中間環節を減少させ、需給双方の情報の非対称問題を解決した。より多くの国、企業、集団に新たな発展チャンスを提供することによって、貿易の包容性を体現している。」と強調した。現在、中国における伝統的な対外貿易は、コロナウィルスから深刻な打撃を受け、越境ECの独特な優位性を更に発揮している。オンラインマーケティングを展開し、オンライン取引を実現している。注文・市場・シェアを維持し、新しい業態の新しい方法で対外貿易に助力する必要がある。
Kaola.com副総裁兼越境研究センター主任の遊忠明氏は、記者とのインタビューで越境ECは効率的な「新型国際貿易組織方式」であると指摘した。ビックデータとクラウドコンピューティングの技術を基盤として、ECプラットフォームは国境を越える需要側と供給側を効率的に繋がり、伝統的な貿易の距離と時間を圧縮した。
遊忠明氏は、越境ECはコロナウィルスの衝撃を有効に防ぎ、消費の回復を促進することができると主張した。
まず、越境ECは、伝統貿易の幾重の代理環節を圧縮しすることで、ビジネスコストを大幅に削減し、更に、大量注文によりサプライヤーの卸売価額を下げる事が可能となる。よって、輸入商品小売価格は原産国の価格に近づくことで消費者の満足感を増加し、消費者の購買意欲を大きく刺激した。
次に、中国国内外の人気ブランドの時間差を有効に短縮した。越境EC政策は輸入商品の市場参入障壁を下げ、多くの商品の輸入前の登録・備品、許可証などの前置審査手続きを免除し、新ブランドの中国市場への進出時間を大幅に圧縮した。インターネット時代に、若い消費者のファッションへの追求を満たした。
また、経済運転の効率を大幅に向上させた。供給側は、消費のビックデータを通じ消費者需要を深く理解できるようになり、生産者の市場的敏感性を高めた。販売に適した製品を生産し、売れない商品の割合を下げ、資金繰りを改善できる。
越境EC総合試験区の増設は、中国対外貿易の基盤を安定させ、グローバル供給チェーンを構築する有力な取り組みである。
需給の正確なドッキングを助成する
新型コロナウィルスの予防と制御の深化に伴い、越境ECは需要と供給のドッキングを促進する役割は日に日に際立っている。
ドイツメーカーのREWE社が中国市場に参入して3年になる。新型コロナウィルス発生期間中、当社はアリババ社とベルギーが共同で建設したリエージュ空港のハブを通じて、中国に100トン以上の商品を輸出し、母子、栄養保健、グルメ、美化粧などの多くの分野を含め、ネット消費者の支持を受けた。REWE社中国市場代表のマーティン・クスナー氏は「疫病は中国市場への供給をある程度阻害しており、アリババ傘下の越境EC会社が迅速な通路を提供してくれたことに感謝している」と述べた。
大連に住んでいる張子璐氏は、最近、越境ECショップを通じて輸入化粧品と健康食品を購入した。彼女は、連日多くの越境ECショップを見ている。海外ブランド店舗の中で、中国国内に実体のない店舗もあるが、そのような店舗でも製品を購入している。張子璐氏は「前に買ったものは全部手に入れました。最近店を見る時に新しい化粧品をお勧めされました。特に必要ではありませんが、見たら買いたくなります。」と述べた。
越境ECはサービス輸出企業にも「神通力」がある。「追觅科技有限公司」は主に掃除機、清掃機などの実用的な小家電を主要業務としている。新型コロナウィルスの発生は、一方では製品の客観的な需要を喚起し、一方では企業の海外への供給の困難度を増大させた。幸いなことに、プラットフォームを即売するデジタル知能の導きによって、「追觅科技」は生産方式を適時に調整し、国家のそれぞれの需要に応じて柔軟に生産を配置した。一部の国が疫病の影響で需要が低下した場合、生産を迅速に他の国の注文に移し、最終的に生産能力の有効利用を実現している。
「新型コロナウィルスの影響を受けて、世界経済活動は巨大な不確定性に直面しており、対外貿易の圧力は特に巨大である。中小企業は受注の減少、物流の滞り、供給チェーンの緊張などの苦境に直面している。これらの企業が共に難関を突破するため、「即売通」は各級政府と緊密に協力し、一連の産業を活性化している。「即売通」CEOの王明強氏は、「対外貿易輸出を振興するためのテコ入れ計画を打ち出し、「即売通」プラットフォームの長年に貯めたデジタル能力と中小企業のインフラ海外進出を支援していく」と述べた。
経済の安定回復を促す
「赤峰全球購」アプリを開けば、母子専門区、ファッション、全世界美食、疫病予防などの専門商品が揃っている。疫病の予防管理期間中、このアプリは435万の赤峰市民から支持されている。ネットで防疫品を調べ、購入するのは現地の人の新しいファッションになる。昨年5月に内モンゴル自治区で初めての越境EC業務が赤峰市に完成して以来、「赤峰全球購」アプリは多くの現地伝統店舗の消費を回復した。
越境ECのプラットフォームには全世界のすばらしい商品、更に優遇の価格で消費者の手を引いている。北京で財務の仕事をしている唐氏の話により、化粧品やスキンケア用品を除いて、彼女が最も買ったのは母子用品で、しかもECプラットフォームで購入した方が安い。「たとえば、スキンケアの場合、CPBクレームUVを買うと、売り場では800元、ECでは600元しかかからないです。海外の越境ECイベントにたまに会うと、割引がすごい」と話した。越境ECは消費者により多くのショッピング選択肢を提供し、消費頻度をさらに高めた。
天猫国際の関係者によると、天猫国際は海外ブランドに対するオンライン宣伝活動、オンラインコミュニケーション会を欧州、米国、日韓などの市場で次々と推進している。これは越境ECが海外で新しいブランドを継続的に導入し、消費者ニーズを満たすための重要な取り組みである。また、天猫国際も直営や海外倉庫のビジネスモデルを通じて、新しい海外業者の参入を拡大している。
中国商務部研究院流通・消費研究所の関利欣副所長は、本報の記者とのインタビューで、「越境ECは中国の対外貿易輸出をリードする新たな業態だけでなく、中国国民の絶えない消費需要を満たす新たなルートでもある」と指摘した。越境EC総合試験区の拡大は、より多くの対外貿易市場の主体が国内の消費市場に注目し、より多くの多元の海外優良商品を導入することによって、消費市場の潜在力を更に解放し、それによって疫病後の経済回復を促進する。
関利欣は「所得水準の上昇と生活の質の向上に伴い、中国国民の消費構造のグレードアップは加速し、消費レベルは基本的な生活ニーズを満たすことから、品質と品位を重視することに転換している。消費のアップグレードの傾向の下で、住民は輸入商品を購入し、海外に行って消費する行為は増え、消費市場の国際化は明らかになり、越境ECは国際消費の重要なルートになっている。同時に、越境ECの小売輸入は急速に発展し、消費体験は最適化されている。未来、各地の越境EC総合実験区を全面的に推進すると、越境郵便、保税輸入モデル、越境ECプラットフォームの運営が成熟することにより消費体験の改善、物流時効の最適化、チャンネルを円滑に推進などの多重要因で越境EC利用者は確実に増えていく。」と述べた
中国越境ECはピンチをチャンスに変えていた
中国はコロナウイルスの影響を最小限に抑え、売上の向上につなげました。これからも中国政府は越境ECに力を入れて行く事を考えるとまだまだ、越境EC市場は伸びていきそうですね。あまり固く考えず、やりながら、軌道修正して行くことが重要なのではないでしょうか。
来源:人民日报海外版 2020-04-21