今年の618も過去最高の売上高を記録し、4年連続で右肩上がりとなりました。

背景には、新型コロナウイルスによる影響で消費が大きく落ち込んでいましたが、リベンジ消費となり、大幅な売上向上につながりました。

そんな、618ですが、中国ECで独身の日はよく聞くけど、『618』とはなんだろう?と思う方が、沢山いらっしゃると思います。

今回は、そんな618について2020年の最新情報を交えて解説していきます。

「618」がwithコロナ時代にどのような結果になったのでしょうか。

目次

中国ECの2大商戦【618と独身の日】

中国EC市場では、大きなイベントが2つあります。

1つは「618(6月18日)」です。2つ目が「独身の日(11月11日)」になります。

618とは、京東の設立日、1998年6月18日を記念日として開催されるセールです。昨年の618商戦の注文金額は3兆3千万円にものぼりました(楽天の売上1年分に匹敵します)。独身の日の前哨戦にもあたる大型イベントです。京東は、物流に力を入れており、ある注文では、注文が入ってから9分かからずに配送を完了しました。驚異の配送スピードですね。

独身の日とは、11月11日に行われる中国EC最大のイベントになります。毎年、日本国内のニュースでも取り上げられており、昨年の独身の日の売上は約5兆円にものぼります。もともと中国の11月11日は「光棍節(こうこんせつ)」と呼ばれており、日付の1人を連想させる「1」が並ぶことから一般的に独身の日という意味合いが広まりました。
中国語で「光棍」とは独身者を意味します。1993年に南京大学の学生たちが始めた記念日でしたが、メディアを通じて一般の人々へも広まり、独身の若者たちが集まってパーティーを開いたり、独身者が結婚相手を探す日となり、贈り物をすることも流行しました。

中国EC市場では、618商戦を踏まえ、独身の日の対策をする事が重要になります。
618は、中国EC攻略に欠かせない大型イベントです。

京東(ジンドン)の解説はこちら

618商戦の実績

実際に618では、過去にどのくらいの売上が上がっているのでしょうか。

2017年:1,199億元(約1兆9,184億円)

2018年:1,592億元(約2兆5,472億円)

2019年:2,015億元(約3兆2,240億円)

すごい規模ですね。この数値は618セール期間だけの売上です。
増加傾向にあり成長市場ということが見てわかります。
ただ、桁が大きくてイメージし辛いです。
楽天の2019年の年間売上が約3,4兆円です。
ということは、618セール期間だけで楽天1年分の売上と同じくらいの規模になります。
日本でこの規模の市場を探すとなるとかなり大変ですね。

そして今年の618商戦がどうだったかというと、

2020年:2,692億元(約4兆0,649億円)

更に伸びてます!
当社が運営している京東の旗艦店では、売上が「6月18日単日売上」と「前月の単日平均売上」を比較した数値で9.3倍に売上が増加し、期待以上の盛り上がりを見せました。
618でスマホを購入した40代女性は「買い物はしたいけど人混みはまだ、怖いので、今はネット通販で我慢している」と話ました。
新型コロナウイルスの影響を感じさせるコメントですね。

2020年618の特徴

今年の618商戦は、2つの特徴がありました。

1つ目は、シンプルな割引施策やプレゼントの充実、大幅な割引クーポンなどのシンプルな施策が多かったです。
具体的には、過去の618イベントでは、複雑な値引き施策が多く、指定商品の組み合わせで何元引きなどといった施策がメインでした。
対して、今年の618では、指定金額以上の購入で割引が発生する施策が多く、非常にシンプルで分かりやすい施策が多かったです。

2つ目は、シンプルな値引き施策になったことで、価格競争が加熱、更に、JDモールでは大幅な値引き施策の実施、などにより店舗側は赤字覚悟で販売する状況に陥りました。
例えば、①188元(約2,820円)購入すると100元(約1,500円)引き、②599元(約8,985円)購入すると300元(約4,500円)引き、などの大幅な値引きキャンペーンがありました。

まとめ
①顧客側は、シンプルな値引きや大幅な値引き設定で、とてもお得に購買できた。
②店舗側は、モール独自の大幅な値引き施策などで、赤字覚悟で販売する必要があった。

この状況を踏まえると、2020年の「独身の日」も同様の傾向になると思われます。
店舗側は、赤字覚悟で販売した後に、リピート購入に繋げる体制構築が必要不可欠になると思います。

過去最高の売上を記録した618ですが、店舗側の運営テクニックが一層求められるイベントでもありました。

独身の日に向けた取り組み

独身の日に向けて重要な事は2点あります。

1点目が配荷の見直しを図ることです。配荷とは、お客さんの欲しい商品がすぐに購入できる状態になっているかどうかです。販売を行っている店舗で商品がすぐに購入できる状態になっているかが大事です。
KOLなどのプロモーション施策にばかり目を向けて配荷が疎かになっている企業様が目立ちます。配荷の質が悪い=転換率が低いです。そうすると、どんなにプロモーションに力を入れても中々、売上が上がりません。
なので、取り組むべきは配荷の質の向上です。販売している店舗で商品はすぐに購入できる状態になっているのか?サムネイルで差別化は図れているのか?まず、配荷の確認をしましょう。転換率3%を目安にできると良いと思います。

2点目は、KOLの活用で認知を広げる事です。
その際に重要な事は、1人のKOLに多額の予算を欠けるのではなく、マイクロKOL〜TOPKOLまで幅広いKOLを活用し、マルチな配信が大事です。
このKOLの起用方法が、独身の日の売上を左右します。
独身の日から逆算してKOLのスケジュールを組み立てていきましょう。

618の結果から独身の日の売上もかなり期待できます。

2020年618セミナー動画

【618セミナー動画 -第1部-】

【618セミナー動画 -第2部-】

【618セミナー動画 -質疑応答-】

次回の配信内容

今回の記事で触れた『独身の日』についてを解説します!


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